サファイアの買取・質入について
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45周年結婚記念石
サファイアはダイヤモンド、エメラルド、ルビーと共に世界四大宝石の一つと言われています。
古代ローマにおいて「sapphiros」という単語はラピスラズリという意味でした。そのため古代で使用され伝説になっているサファイアは私たちのいうサファイアなのかラピスラズリのことなのかは不明なこともあります。
古代ローマやギリシャでは国王が嫉妬や危機から身を守るためにサファイアを身に着け、中世になるとその色が天国の象徴であるため聖職者はサファイアの指輪を好んで着けていました。また眼疾患や伝染病の薬として、解毒剤としても使用されてたこともあります。
宝石言葉は『慈愛』『誠実』『忠実』『真実』『徳望』と言った意味があり、エンゲージリングに使用されたり、シンプルなマリッジリングの内側に使用されることもあります。
鉱物学としてのサファイア
鉱物学的にはコランダムの一種となります。コランダムの中で赤色以外は全てサファイアと呼ばれ、私たちが一般的にいうサファイアの正式名称はブルーサファイアであり、それ以外にも無色透明のものからピンクがかったオレンジのパパラチアサファイアまで様々な色があります。
コランダムの主成分はアルミニウムと酸素(Al₂O₃)のため純粋な酸化アルミニウムは無色透明なものです。これに微量の鉄やチタンが混ざることで青になります。
モース硬度は9とダイヤモンドの次に硬いため『長い間愛用できる』というジュエリーとしての条件を満たしています。
サファイアに対する主な処理
天然のサファイアには人為的な処理が行われていることが殆どです。以下はその主な処理の内容です。
加熱処理
- 天然の結晶そのものが美しいサファイアもありますがほとんどのサファイアは古来より加熱処理をされてきました。
この加熱処理は着色のように色を加えるのではなく、サファイアが潜在的に持つ美しさを引き出すための処理で、経年劣化することもなく当たり前の処理として認められております。 鉛ガラス充填処理
- フラクチャー(ヒビ)が多いサファイアは透明感がなくとても美しいとはいえないものです。これに鉛ガラスを溶解しフラクチャーに流し込むことでフラクチャーを埋め、透明度が改善されます。
また、穴が開いた原石の場合、穴を避けてカットするのが普通ですが原石の大きさをを最大限に生かすために穴に鉛ガラスを埋める場合もあります。 見る角度によってはガラスが充填された部分が虹色に輝き不自然な見た目になりますし、ガラス部分はキズが付き易く酸にも弱いのでジュエリーとしては問題があります。 フラックス修復処理
- フラクチャー(ヒビ)にフラックス溶剤を入れて加熱をすることによりフラクチャー部分に合成サファイアを生成させフラクチャーを修復する処理です。
フラクチャーの部分は成分が同じ合成サファイアで修復されるため非常に綺麗な見た目になりますが、内部に合成サファイアが混ざっている為天然サファイアとは呼べなくなります。 拡散処理
- 1980年代より行われ、ブルーサファイアの発色要因である鉄、チタン等の粉末とコランダムを容器に入れて加熱する色の改良を目的とした処理です。
しかし鉄やチタン元素は大きいため石の内部まで浸透せずに表面のみしか着色しません。そのため石を研磨をすると色が薄くなります。
また、表面だけの着色のため沃化メチレン等に浸したり特定の光で見ると輪郭のみに色がついていることが確認できます。
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そして1990年後半よりベリリウムによる新しい拡散処理がでてきました。
こちらの拡散処理の場合、軽元素であるベリリウムは内部まで入り込み着色します。内部までに入り込むまでに色の層ができるものの表面だけの着色ではありません。
また、新しい処理のため当時の鑑別機関はこの処理自体の存在を知りませんでした。
そのため2001年には大量の『拡散処理が施されたパパラチアサファイア』が日本市場に入ってきたのですが、一般的な『加熱処理を施されたパパラチアサファイア』として百貨店を含めた宝飾店で販売されました。その後、拡散処理の実態が把握されると宝飾店では商品の撤去や返品対応に追われることになったのです。ですので古い鑑別書がついたパパラチアは現在は通用せず再度鑑別書を作り直すことが必要です。
ただ、鑑別機関で従来から使用されている蛍光X線元素分析装置等では検出が不可能で、SIMSやLA-ICP-MSといった装置を保有している鑑別機関しかベリリウムによる拡散処理の有無は判断できません。
サファイアの産地
カシミール、ミャンマー、スリランカ、マダガスカルが主な原産地となり産地によってそれぞれ特色があります。
カシミール
- 独特の白っぽい柔らかいながらも彩度が高い青色が特徴です。この独特な青色は「コーンフラワーブルー」と呼ばれておりカシミール産サファイアの代名詞となっております。この上質なサファイアは100年ほど前に大量に採掘されたものの数年間で枯渇してしまいました。ですので現在でお目にかかれるコーンフラワーブルーのサファイアは還流品(中古品)のみとなっております。
非加熱のものは透明度が高く、内部特徴としてはシルクインクルージョンと呼ばれる細い針のようなものが60度に交差しているのが多くみられますが、加熱をすることによりシルクインクルージョンが溶け、透明度が落ちます。
現在は殆どとれなくなっており市場に出回っているのは非常に少なくなっております。 ミャンマー
- ルビーで有名なミャンマーですが同じコランダムであるサファイアも産出されます。ただし、その量はルビーの数百分の1しか採れません。
大きめで色は濃いながらも透明感があり、「コーンフラワーブルー」以外では最高級と言われる「ロイヤルブルー」もミャンマー産のものが多く、加熱処理がされていないサファイアが多く産出されるのが特徴です。
現在では産出量が減少しあまり出回らなくなりました。 スリランカ
- 様々な宝石が産出されるスリランカですがサファイアもこれまではかなりの量が産出されました。
かなりの量が産出されたため世界で一番出回っており、チャールズ皇太子がダイアナ妃に贈ったマリッジリングもスリランカ産でした。現在の産出量は減少してきております。
上質なものは紫がかった青で比較的明度、透明度が高いものがありますが、産出段階では無色に近いものが多く、加熱処理をして美しい青に変化させます。 マダガスカル
- 以前からサファイアの採掘は行われておりましたが2000年頃から新しい鉱床(採掘場)が次々と発見されて、カシミール産に似た高品質のサファイアも産出されることがあります。
スリランカの産出量も減少してきたため今後は高品質なサファイアの産地と言えばマダガスカルになるかもしれません。
サファイアのお取扱いについて
モース硬度が高いといってもダイヤモンドはもちろん同硬度のサファイアやルビー等と擦れるとキズがつきます。
また、モース硬度は擦れに対する耐性ですので、割れや欠けの原因となるような瞬間的な強い衝撃に対する耐性はそれほど強くありませんのでご注意下さい。
保管時は、他のジュエリーと一緒にすると他のジュエリーを傷つけてしまいますので個別に保管してください。
質入・買取の際のサファイアの査定基準
サファイアの買取・質入れの際の査定額は色、キズ、テリ、処理、産地によって決まります。
色
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彩度(色の鮮やかさ)、明度(色の明るさ)、色味によって決まります。
サファイアにおいては彩度・明度が特に重要で彩度が高く適度な明度があるものが高評価になります。彩度は高いほど高評価になりますが明度は高すぎても低すぎても評価が下がります。
色味に関しては高額で取引されるものが何種類かあります。
白が若干混ざったような『コーンフラワーブルー』が最高とされ高額で取引されていますが数が少なく、純粋な青に近い『ロイヤルブルー』も同様に高額で取引されています。また、スリランカ産に良くみられる紫がかった青は『カワセミのブルー』とも呼ばれある程度の人気があります。
キズ
同じコランダムでもルビーよりもサファイアの方が少ない場合が多いです。
もちろんキズは少なければ少ないほど高額になりますが、産地独特のインクルージョン(内部のキズ)はその産地を証明するものにもなります。
特にカシミール産サファイア独特の美しい色合いは微小のインクルージョンによるものですし、スターサファイアのスター効果も針状のインクルージョンによってできるものです。
テリ
光に当てると輝いて見えるのをテリが良いと言います。ルビーに限らずらず宝石全般にテリは価格決定に大きな影響を与えます。
このテリの良し悪しはキズやインクルージョン、カットによって変わります。また、結晶構造や目で見えないような含有物質によっても変わります。
そのためキズがある程度あってもテリが良いものもありますし、逆にキズが少なくてもテリが悪いものもあります。
処理
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加熱処理は一般的に当たり前の処理と認められていもののため減額はありません。
非加熱でとても綺麗とは言えない色でしたら加熱処理がされていて綺麗なサファイアのほうが高額になります。逆に非加熱で美しい色のサファイアは驚くような金額で質入・買取ができます。
また、鉛ガラス含侵処理や拡散処理されたサファイアは殆どの場合お値段を付けられません。
産地
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同じような品質のサファイアでしたらカシミール>ミャンマー>スリランカの順となります。特にカシミール産は特に希少ですのでかなり高額になりますし、ミャンマー産とスリランカ産では倍の価格差があります。
ただ、産地を判別するには大量のデータが必要なためGIAやGRS等大手鑑別機関の一部しかできません。
さらに産地証明には通常の鑑別書作成代金の他に特別料金がかかりますし、大手鑑別機関でも産地の判別ができない場合もあります。そのため産地証明が付いている鑑別書はあまりありません。
買取・質入の主な取扱い宝石
- ダイヤモンドの買取・質入について
- ルビーの買取・質入について
- サファイアの買取・質入について
- エメラルドの買取・質入について
- アレキサンドライトの買取・質入について
- トルマリンの買取・質入について
当店では、時計、ダイヤモンド等の宝石、ネックレス・指輪等のジュエリー、金・プラチナ等の貴金属、ブランド品、バッグ、家電、パソコン、楽器、絵画、カメラ、オーディオ、工具等様々なお品物の買取・質入を請け賜っております。ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。
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宮城質屋協同組合員
質屋許可証番号
宮城県公安委員会 第221020000048号
古物商許可証番号
宮城県公安委員会 第221020001258号
鑑定士資格免許の名称
GIA-G.G(米国宝石学会卒業)